1.カロリー計算はあまり意味がない

<このブログを始めた経緯>

このブログは、私が大学に入学した頃に40キロ以下にまで痩せてしまった経験を元にしています。

始めは太りたい一心で、できるだけ高カロリーな食事を食べていましたが、全く太ることができませんでした。あきらめかけた頃に、消化されなければ意味がないと思い、脂質や繊維質を減らし、消化の良い炭水化物(デンプン)とタンパク質などを無理せず適量食べていた時がありました。ある時、2~3日で5キロ以上太りました。似たような事が数回ありましたが、私はすごく痩せていたので、何が原因で太ったのか明確に分かったのです。また、私と同じような状況で急激に太った人が他にも数人いました。そんな経験を通して、

太る原因は、カロリーの摂り過ぎ又は運動不足

たくさん食べれば太るのは当たり前だ・・・

と常識のように言われていることに疑問をもちました。

日本では「痩せの大食い」という言い回しがあるように、たくさん食べても太らない人もいるし、食べる量は多くないのに太っている人もいます。ダイエットに挑戦するたびに体重が増加していく人もいます。

一般にこのような事例は代謝や体質といった曖昧な表現で片付けられてしまうのですが、そんな矛盾もすべて、私の経験をもとに説明できるのではないか?と思って、仮説として理論を組み立てていきました。

現在、食べ過ぎや運動不足が肥満・メタボの原因とされていますが、過剰摂取が体重増加に繋がったという研究結果は比較的短期から数カ月の介入によるものです。実際に長期で過食を継続すると、痩せた人が肥満になるかどうかが証明されている訳ではないのです。

「The Obesity Code」の著者ジェイソン・ファン氏によると、1960年代にイーサン・シムズ教授によって行われた過食研究では、過剰摂取によって体重が大幅に増加した被験者の大半が、実験終了後、増えた体重を維持し続けることはなかったそうです。彼らの体重は、何の努力も要せずに元に戻ったのです。

 過食実験は、「過食」が肥満の原因でないことを示唆する

    

また肥満の人が痩せるためにダイエット(カロリー制限、運動)に励んでも、ほとんどの人が減らした体重をわずか数週間、遅くとも数カ月以内で取り戻していることが、ダイエットに取り組んだ人の経験だけでなく、最近の研究からも分かってきています。

そういった事から、人にはそれぞれに恒常性機能に基づく安定した体重があると指摘する専門家もおられます。私は、2014年にこのブログを書き始めた時から、その安定的な体重(「設定体重」と呼ばれている)がどのように上昇又は下降するかが、肥満の問題の鍵だと考え、ブログ全体を通したコア部分としている。

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2. 消化の良すぎる食べ物(精製炭水化物、超加工食品など)が人を太らせる

<5つのポイント>

(1)「太っている人と痩せている人(太らない人)」の違いは、摂取又は消費するカロリーの大小と直接関連がない。設定体重 (set-point weight) そのものが高くなっていることが肥満の根本的な問題であり、設定体重は腸内飢餓が引き起こされることでアップする。

「一番優先されているのは現状維持」
「”太る”という言葉の2つの意味」


(2)
「腸内飢餓」とは、「食べること」と「食べないこと(空腹)」の繰り返しの中で、7~8メートルある腸全体(または小腸)ですべての食べ物が消化される状態をいい、体にとっては「食べ物がない」というメッセージとなる。

「腸内飢餓の定義」


(3)
腸内飢餓を引き起こしやすくするのは、精製された炭水化物や消化の良いタンパク質、ファーストフード、加工食品などの食べ物であり、逆に繊維質・脂質・加工度の低い食品などはこれを防ぐ傾向がある。近年の世界における肥満の増加は、炭水化物に偏るバランスの悪い食事と不規則な生活が影響していると考えます。

「偏食と不規則な生活が腸内飢餓をつくる(3要素+1) 」
「炭水化物が人を太らせる:希薄効果、プッシュアウト効果」


(4)
カロリー視点で見た時、「痩せたいけどカロリーを減らしても痩せない人」、「太りたいけど食べても太れない人」は、理論上はに近いことをしているため、お互いうまくいかないことが多い。

「現実は心理と逆の方向に作用を受ける」


(5)
健康のために運動は必要だが、痩せるために特に必要という訳ではない。食事の習慣を変えることで痩せることは可能である。

「痩せるのに運動は必要ないとしたら」

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3.目 的

運営する目的は、もちろん 「私の考えを知ってもらいたい」というのが一番ですが、「面白いアイデアだね」で終わらせたくありません。最終的には、どうにかして『腸の飢餓状態で人が太る』ことを証明できないかと考えています。

2023年6月~:英文の修正をほぼ終えたので、日本含め世界中の研究機関にオファーを出しています。

   

4.なぜ私がやるのか?

こんなことは医者か研究者に任せておけばいいのかもしれません。
友達にも「そんなこと辞めとけば・・・」「何がやりたいの??」と言われました。

それでも「自分がやらねば・・・」という思いの方が強く、その理由は、『(どん底まで落ちた) 私でなければ作ることができない理論である』と思ったからです。実は、私もかつて自信をなくしていましたが、ゲーリ・トーベス氏の「人はなぜ太るのか」という本と出会い勇気をもらいました。

科学の歴史は別の解釈を示唆している。人々がこの仮説について1世紀以上考え、何十年も真偽を確認しようと試み、それでもなおそれが真実であると納得させるエビデンスを生み出せないとすれば、おそらくそれは真実ではない。(略)
これは科学の歴史において、一見理屈にあっていると思われる多くの考えのうち、一度も成功しなかったものの一つである。そして、もしカロリー摂取を減らすことが減量につながらず、カロリー消費を増やしても体重の増加を防げないとすれば、私たちはすべてを再考し、どうすれば体重を減らせるのかを見つけ出さなければならない。

(ゲーリ・トーベス「人はなぜ太るのか」, 2013, P66)

 

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