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2014.10.19
現実は心理と逆の方向に作用を受ける
今回は、心理と”太るメカニズム”の関係について説明したいと思います。
太っている人(太り気味の人)の中には、「今年こそ、数キロ痩せるぞ」という思いからダイエットを始める人がいるのではないでしょうか?
従来のカロリーの理論によると、そのためにとるべき方策は「摂取するカロリーを減らすか、消費するカロリーを増やす」ことと言われています。多くの人はまず、揚げ物、スイーツなど高カロリーな食べ物を避けるか、または食事を抜いたり、軽い食事で済まそうとします。それに加えてジョギングを始めたり、フィットネスクラブに通う人もいることでしょう。
逆に痩せている人は、「少しでも太りたい」という思いもあるし、一食でも食事を抜いたら痩せてしまうという思いもあり、「少しでもカロリーになるものを食べよう」「量は食べれなくても、食事を抜かずに3食キッチリ食べよう~」とします。
しかし、なぜ太っている人は、食事を減らしても中々痩せられないのでしょうか?
なぜ痩せている人は、食べても太れないのでしょうか?
それは、お互いが本来すべきことの逆のことをしている可能性があります。
太っている人が、油脂や食事の量を減らしたり、又は運動を増やすことによって、一旦はタンパク質・体脂肪などが分解され、数キロ痩せるかもしれません。しかしそれは一時的なものであり、長い目で見るとむしろ太りやすくなっていくのです。
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ダイエットは、長期的にはほぼ成果なし
ダイエット中の食事制限で空腹を長時間我慢していることにより、基礎代謝でさえ低下することが確認されていますが、私の考えでは、腸の吸収力は逆に高まります。
食事の量を減らしたとしても、その食事が炭水化物に偏り、野菜が不足してバランスが悪ければ(例:即席めん、ファーストフード)、腸内飢餓のメカニズムができやすくなります。そして、恒常性に基づく体重の設定値は知らないうちにアップしている可能性があるのです。かつてのように食べた時に、リバウンドで体重が元に戻るだけでなく、以前よりも増えてしまうことがありえます。
つまりカロリー制限によるダイエットの成功率が低いのは、その人の努力が足りない訳でもなんでもなく、理論上、間違ったことをしているから当然です。(もちろん、極端に食事を減らし運動を続ければ痩せるかもしれませんが、体に不可欠なな栄養素が不足すれば、筋肉が分解され、骨からミネラルなどが奪われたりしますので、あまりお勧めできません。)
▽又、痩せている人は少しでも食事を抜くと見る見るうちに顔から痩せてしまったり、疲れやすくなる。その為に、それほどお腹がすいてなくても「食べなきゃ・・・」という心理が働きます。
これは生物が生きていく上で当然の心理です。
そのため、朝・昼・晩と3度の食事をきっちり摂る人が多いし、量が食べれなくてもカロリーの高い食事を摂ろうとします。また、ためらうことなくお菓子などの間食をする人も多いです。少しでも太る為に、間食などを積極的に摂るように勧める専門家やwebサイトもあります。
しかしそれによって、未消化物が一日中に渡り腸内に残るので腸内飢餓は起こりにくくなり、体に栄養を蓄えようとするメカニズムは働かなくなってしまうのです。つまり体重の設定値は変化していません。
いくら食べても太らないから、結局は「太らない体質だね~」と言って済ましてしまうことになるのです。
一般に、食べても太れない人と、ダイエットをしていているにも関わらず太る傾向のある人の違いは、遺伝的な「体質」としてしばしば説明されます。もちろん遺伝は完全には無視できませんが、彼らは本来すべきことの逆のことをしているのですから、両者がうまくいかないのは当たり前です。そもそも「カロリーの摂り過ぎ、運動不足が太る原因だ」という固定観念から抜け出さないと新たなものは見えてこないのです。
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